今回で3回目となりました、データで見る、福岡のラーメン市場
これまでに、
第1回 ラーメン1杯のお値段は?
というテーマでお届けました。
第3回のテーマは、「福岡市近郊エリアにおける、営業時間や店休日などの設定は?」 というテーマでお送りします。
昔は飲食業においても “通し営業” が一般的でしたが、現在は “昼と夜の2部制” という店舗も多くなりました。
逆に店休日はラーメン店の組織化・グループ化が進み、昔に比べ日曜営業のお店が大きく増加したイメージがあります。
今回のレポートでは合わせて、券売機の導入状況や、駐車スペースの有無なども掲載。
更には “店舗がグループ展開をしているか? 独自展開であるのか?” という点も盛り込んでみました。
飲食店の中でも、個人での展開が非常に多いジャンルと言われるラーメン業界。
福岡市近郊エリアの実態はいかに?
営業時間のパターンは?
まずは営業時間のパターンからご紹介します。
近頃では昼と夜の間で中休みが入るパターンが多くなったと思っていましたが・・・
約2/3(65.7%)は通し営業という状況でした。
中休みが入るパターンが多くなったとは言え、やはり通し営業が圧倒的に多いんですね。
ちなみに少ないながらも、夜のみ(6.1%)・24時間(4.1%)・昼のみ(1.6%)という形態の店舗もあります。
看板メニュー(ジャンル)ごとの傾向の違いはあるのでしょうか?
最も多い形態である、通し営業と2部制に分けて見てみました。
看板メニューにとんこつを掲げるお店は80.6%が通し営業と、とんこつ以外のお店の61.9%に比べ明らかに多いですね。
本データだけでは見て取れませんが、傾向としてとんこつのお店は老舗が多く、老舗は通し営業が多いというパターンがあるようです。
続いてエリアごとの傾向を見てみましょう。
中央区は通し営業の店舗が64.5%と、他のエリアに比べて明らかに通し営業が少ない傾向にあります。
エリア×ジャンル別の傾向でも見られた通り、中央区はとんこつ以外のジャンルが多いエリア。
上記の傾向とも連動していますが、とんこつ以外を看板メニューとするお店は2部制を取っているケースが多いようです。
店休日のパターンは?
続きまして店休日のパターンについてご紹介します。
店休日を設定している店舗が40.2%、無休の店舗が38.0%と概ね同等のようです。
※無休には、年末年始のみ休む店舗を含んでいます(平時は無休という整理)
残る20.9%が不定休。
明言していないだけで休みがパターン化されている店舗も含まれると考えられますが、改めて見ると想像以上の多さです。
個人的にはありがたくない傾向かも・・・^^;
次に、曜日ごとの休みの傾向をご紹介します。
こちらは店舗別の傾向ではなく、純粋に各曜日にラーメン店がどれ位の確率で休みとなっているか?を示したものです。
(月・木や、日・祝など、複数の店休日を持つ場合も、それぞれの曜日でカウントしています)
日曜が13.9%と最も多く、次いでイメージ通り水曜日が9.3%と多いですね。
非常に納得の結果!
休みを把握せず&曜日を意識せずに動いていた頃は、水曜休みの連続に泣かされました(汗)
行けども行けども、店休日につかまるパターン^^;
次いで、火曜(8.0%)、月曜(6.8%)と続きます。
ちなみに金曜と土曜に店休日を設定している店舗は、ほぼ無い状況のようです。
券売機導入状況は?
続きまして券売機導入状況をまとめてみました。
券売機を導入済の店舗が28.9%と、約3割。
現在も7割はレジでの精算を行っている状況です。
券売機はゆっくり選べない印象があり苦手とするお客さんも少なくない一方で、券売機導入に抵抗がある店主さんも少なくない様子。
しかし一方で 「食器とお金を交互に扱わずに済むので衛生的」 「スタッフの負担が軽減できる」 など、「業務効率が大きくアップする」 という効果が見込めます。
人材の確保が非常に大変な現代の飲食業界にとって、この辺りの問題はラーメンの価格にも直結しうる要素。
そういう意味ではお客さんにとっても、券売機導入はメリットがあるとも言えそうです。
エリアごとの導入状況の違いはあるのでしょうか?
中央区は36.3%、博多区は34.1%と、その他エリアの23.0%に比べ1.5倍前後も導入が進んでいるようです。
ちなみに看板メニューごとの傾向による違いも見てみましたが・・・
こちらは全く差が見られませんでした。
駐車スペースの有無は?
次は駐車スペースの有無を見てみましょう。
全体では、52.5%が駐車スペース有り、47.5%が無しと、やや有りの店舗が多いものの概ね半々という状況です。
※有りには、商業施設の共同スペース(駐車サービス有無を含め)の併設があるケースを含む
※一般コインパーキングのキャッシュバック施策は含まず
エリアごとの違いを見てみましょう。
なんと博多区は20.3%、中央区に至っては僅か4.8%しか駐車スペースが無い状況。
一方でその他エリアは、74.9%と3/4は駐車スペースが有る状況です。
エリアごとの傾向の違いがハッキリと現れた結果となりました。
グループ展開 or 独自展開?
最後に店舗がグループ展開をしているか? 独自展開であるのか?を見てみましょう。
全体では、62.7%がグループ展開をしており、37.3%が独自展開という状況でした。
※グループ展開には、同名ブランドの複数展開・セカンドブランド展開・同名でののれん分けなどを含む
※修行後に別ブランドとして展開するケースは含まず
エリアごとの違いを見てみましょう。
際立った差ではないものの博多区は65.9%、中央区はさらに多く69.2%とグループ展開する店舗が多い様子。
その他エリアは58.4%と、どちらかと言えば郊外の方が独立展開する店舗が多い傾向です。
賃料の違いなどが大きく影響している可能性もあるかと思われます。
いかがでしたか?
冒頭でも述べましたが、ラーメン業界は飲食業の中でも、個人展開の比率が非常に高いと言われています。
飲食系においても、大きな企業がそのスケールメリットを活かして市場を握るジャンルが多いなか、ラーメン業界が高い魅力を誇る理由のひとつとして 「個人ブランドの多さ=多様性と目覚ましい進化」 があるように思います。
これからも、個性豊かなブランドの登場が期待されます!
これまで3回に渡り、実験的に公開してきました 「データで見る、福岡のラーメン市場」
ファーストシーズンは今回までとなります。
次回以降どのような切り口でデータをご紹介していくのか?
どうぞ、ご期待ください!
※データにつきまして
公開情報は、めんむすびの独自調査データに基づくものです。
福岡市近郊エリア(福岡市、太宰府・春日・筑紫野エリア、糟屋郡、糸島市)の約1,000店舗を母集団とし、一般的にみて妥当性が高いと考えるサンプル数を設定して算出しております。
調査データの詳細につきまして、個別での公開は行っておりません。
畏れ入りますが、ご了承くださいませ。
これまでに公開した”データで見る、福岡のラーメン市場”
第1回 「ラーメン1杯の価格は?」の結果はこちらから
第2回 「看板メニューのジャンル &価格設定は?」の結果はこちらから
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